里海ホームの日々

2012年6月1日大分県でファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)開所。

愛着の築き直し 

 

ある女の子が妊娠し、病院で無事に子を産んだ。

生まれた我が子を見て、

「連れて帰れない・・・」

「子どものお世話なんかできない・・・」

 

でもその娘は我が子の行く先を案じた。

自分は育てられないけど 幸せに育ってほしい

 

児相通じて里親に預けた。

時々、会いに行く。

我が子の成長を見るのは楽しい

そして 自分も大事にしてもらえる。

 

物心ついた時から 父も母も家にいたという記憶がない

自分たち兄弟だけで暮らしていたような

 

それでもなんとか成長して、学校も卒業した

でもいつも心の中は ぽっかり穴が空いているような

いつも寂しい 満たされない 悲しい・・・

心から楽しいと思えない

 

里親のところに行くと、

子ども達のお世話の合間に

       自分を見てくれる

  自分に微笑んでくれる

  自分に声をかけてくれる

 

       美味しいご飯を作ってくれる

       お風呂を沸かしてくれる

       洗濯して干したお日様の匂いのする寝具を用意してくれる

       楽しく過ごせるように考えてくれる

 

   その娘は思う。

   これが家庭というものなのかな

   我が子は育てられないけど

   ここで自分も少し愛情を知ることができてるのかな

 

出発する朝、「また帰っておいで」と声をかけられ、

「また来ます」と微笑んだ。