ファミリーホームでの一時保護とは
ついこの間新年を迎えたと思ったら、1月も28日。
ほんとに「1月行く」「2月逃げる」「3月去る」と
言われるくらい、新年3か月は飛ぶように過ぎていくものなのでしょう。
さて、年末に緊急一時保護の依頼を受けて
先日はその子との辛い別れもありました。
幼い子には特に愛着関係に力を注ぎ、その分可愛さもひとしお。
誰にでも抱かれていた子が、この人じゃなきゃ嫌だ!
という関係になり、子どもも養育者も別れが身を切るように辛くなります。
でも、この愛着関係こそが、後の人生の人間関係の土台になるのです。
通常、虐待通報などがあると、児童相談所内にある一時保護所、
もしくは児童養護施設に併設された一時保護所に、こどもが預けられます。
でも、そこで対応できない場合、乳児院やファミリーホーム、
里親がその役割を担います。
専門里親の認定のために、学科試験と共に一週間の施設実習が課せられます。
私は一時保護所を選びました。虐待を受けた子らを保護する場で
幼い子もいるので、ついつい抱いてあげたくなりますが、
「ここでは愛着関係をとることはできません」と言われました。
次への生活へのステップの妨げになるかもしれないからと思われます。
でも今回、うちでおこなった一時保護では
①観察、アセスメント
②心身のケアをする。愛着関係を大事にする。
③生活リズムを立て直す。 この3つに力を注ぎました。
たくさんスキンシップをとって、大人を信頼できるように
遊びや散歩、絵本や歌をとおして、心を解放させ
添い寝、一緒に食べる、当たり前の排泄を促す
こうした生活の中で、泣き叫ぶばかりだった子が
人間らしく、子どもらしく、笑顔がたくさん出てきて、
いたずらするようにもなるし、歌に合わせて体を動かすし、
顔や体の発疹が消え、きれいな肌に変わっていく。
穏やかな眠りにつき、夜驚も消えていきます。
20代の保育士時代、産休明けからの保育所を保護者とともにつくり、
職員や他の保育関係者、大学の先生方と乳児からの発達段階や、
子どもの遊びや集団作りなど学んできました。
一方、里親という仕事、生き方は、
ネグレクト、虐待などで子どものゆがんだ育ちや、
ダメージを受けた心に向き合い、その経てきたマイナスからの
育ち直しという、根気のいる営みであると、
今回、改めて痛感させられました。
(徳治昭童画館のライオンSUNに願いを込めて)
約一か月、家族として一緒に暮らしたその子には
どうか新しい場所で、健やかに幸せに育ってほしいと
こころから願わずにはいられません。