大分県の社会的養護を考える現場セミナー
大分市のコンパルホールであり、里海ホームからは里父が参加しました。
10時から16時まで、西澤哲先生〜山梨県立大学・人間福祉学部教授であり
子どもの虐待防止センター理事〜の講義をみっちり受けて帰って来た里父は
すごく感動し、夜はその研修内容を熱弁してくれました。
実親の病気や経済的また様々な理由により、実家族と暮らせない子どもたちを
親に変わって社会が養育する義務があることを「社会的養護」と呼びます。
日本では平成28年1月時で約4万6千人の社会的養護の子どもたちがいて、
その8割以上が、児童養護施設で生活しています。
日本では施設中心の児童福祉が進んできたわけですが
社会的養護の元にいる子達の大半は、大人との愛着関係が取れないまま、
家庭を知らないまま成長し、社会に放り出されます。
これまでのあまりに施設偏重な施策に対し国際的にも批判も高まり、
その転換を国連からも迫られています。
大分県は里親委託が急速に進み 、県内での社会的養護の約3割の子達が
家庭養育されています。
国は今年「新しい社会的養育ビジョン」として、積極的に家庭養護の推進の方針を
数値目標も入れて打ち出しました。
そんな中での今回のセミナーです。
西澤教授の講義は、施設養育の現状や各地の児童相談所に対しても
歯に衣着せぬ批判も織り交ぜながら、常に子どもの視点に立ち
愛着の再形成から、未来ある人生への支援、そして実家族の機能の回復も
見据えた関わりを強調されていました。
里親委託が今後進み、どの子も家庭で育つ権利を保障していく、
様々な専門職員をもつ施設が、里親や実家族の機能回復も含め支援していく。
大分県がその先進県となるよう願うばかりです。
里母記