里海ホームの日々

2012年6月1日大分県でファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)開所。

愛着形成と生きる力

旧知のN園長から、自分の保育園で話をしてほしいと依頼があり、10月21日に行って来ました。保護者会の学習会で、3年前と今回で2度目です。

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前回は「幸せな子ども時代を生きることの意味」として、里親として学んだ事を中心に話し、後日「とても良い講演内容で感動した」という感想がたくさん寄せられ、安堵したものです。今回は「子どもの気持ちにどう向き合うか」という、子育て中のお母さん達の要望もあり「愛着形成と生きる力」について話しました。

保育士時代や実子の子育て中には当たり前すぎて、それほど意識しなかった

愛着(アタッチメント)

赤ちゃんが生まれ、日々子どものお世話をしながら「まなざしと触れ合いと微笑み」を交わすことがどれほど大切で、人間としてその後の人生を左右するほど重要なものか、人を信じ自分を信じていく基礎になるのか、50過ぎて里親になって初めて知りました。その事を今子育て真っ最中のお父さんお母さん達に知ってほしいと思いました。

 

また、虐待と脳の関係を、米ハーバード大学と共同研究した友田明美医師(福井大学病院)の研究結果から

〜身体的虐待、ネグレクトや心理的などその虐待内容によって、それぞれをつかさどる脳の部位が過敏に変化し、前頭前野が約2割も萎縮したり、視覚野や聴覚野が萎縮したり拡大するなど脳の大事な部分に傷がつく〜ことなども友田医師の文献から写真を示して紹介しました。

でもたとえ心や脳にダメージを受けても、救いの方法はあるという事を里親として実感しています。そのN保育園の「お日様と土とおいしい給食」というスローガンが、里海ホームと共通していて、「生活リズムと自然豊かな遊び、みんなで食べる美味しいご飯」の穏やかな毎日が、ダメージを受けた子どもの心の傷の治療・ケアにも威力を発揮します。

 

母親が孤立するのではなく、家庭や幼稚園・保育園・学校、地域の中でたくさんの大人達で子どもの育ちを支えていく輪を広げること、それが今まさに悲しい辛い思いをしているかもしれない子達に生きる希望を繋げるかもしれないと思うのです。

 

私の約1時間の話を、保護者だけでなく年長組の子や小学生達も一緒に真剣に聞いてくれて、とても励まされました。一人一人心配や悩みなど出され、それをベテランの職員や保護者からアドバイスあり、素敵な会でした。

県外から里親に興味のある方の参加もあり、「里親になりませんか」のPRもしっかりしてきました。  

 

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                        里母記