里海ホームの日々

2012年6月1日大分県でファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)開所。

自立への賛歌

今日はS子の高校の卒業式

里親になって最初に関わった子で、色々とドラマもあっただけに

式の冒頭から涙が出てきて仕方がなかった。

 

初めての出会い 里親里子として「マッチング」の日

まだ小学生であどけない表情、可愛い笑顔の中に、

人を信用していない鋭い瞳があった。 

お試しの宿泊 楽しい時間を過ごしたかと思ったら

少しの刺激で崩れて どうなだめても取りつくしまがなかった。

 

あれから7年8ヶ月

日々の生活の積み重ねの中で「家族」になった。

小、中、高と素晴らしい先生方との出会いもあった。 

 

この高校生活3年間も波乱万丈だった。それでなくても手を焼く思春期時代。

今日の素晴らしい卒業式に参列して 彼女と格闘した日々が全て報われたと思った。

式後、最後のホームルーム、担任や友だちと涙と笑顔で輝くS子の姿

「将来は安定した生活を送りたい」というささやかな夢を持って

新しい生活に歩み出す彼女を、一層支えていきたいと新たな気持ちになった。

 

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そうそう 日頃お世話になっている医大生3人も卒業式に駆けつけてくれました。

式場の受付で「保護者だけなので」と断られ参列できなくて、

体育館の外で一時間半も待って、教室の前でブーケをプレゼントしてくれました。

いろんな事情で実家族も来れない中で他人の学生たちがこんな節目に駆けつけてくれる

なんてありがたいことでしょう。S子も学生たちの姿を見て抱きついていました。

支えてくれる人がたくさんいる これからもいつでも助けてと言えるように

それが自立の第一歩だから。 

                           里母記