里海ホームの日々

2012年6月1日大分県でファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)開所。

オレンジリボンたすきリレー

11月は、子どもの虐待防止を訴えることを目的に、

全国でオレンジリボンたすきリレーが行われます。

児童虐待防止の象徴であるオレンジリボン、

オレンジのTシャツを身につけ歩きます。

 

大分県では11月6日(月)に別府市役所〜大分市役所〜大分県庁まで

約14㎞の道のりを、日頃子ども達に関わっている行政や施設職員、

ファミリーホーム、里親など関係者が、子どもの幸せを願って歩きます。

うちは里父が参加予定です。日々10㎞ジョギングで鍛えている里父なので、

別府から国道10号線、別大国道を歩いて大分県庁まで、

たぶん歩いて行けると期待しています。

 

日本一周する方もいらっしゃいます。すごいですね。

こんなネットワークが広がる一方で、子ども達への虐待は後を絶ちません。

貧困や社会的孤立など、根は深い。

 

私も少しでも地域の子どもや孤立したお母さん達の役に立てればと、

3年前に「ホームスタート」のビジターになって活動しています。

                         里母記

中学女子 頑張った!

先日、中学新人戦大会が行われ、うちの女子もバレーボールを始めて

半年なのに、スタメンとして堂々たるプレーを見せてくれました。

チームは県下81校中ベスト8に! 

 

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彼女の握力は男子顔負け、水泳をすればクロールが早い。

スイミングなど習ったことないのに、綺麗な泳ぎ方をします。

体幹がしっかりしていますね」とよく言われます。

後に続く小学生たちもだんだんしっかりしてきました。

 

これは、やはり外遊びをしっかりする中で全身の発達が促されるからでしょう。

 

保健体育の教員免許を持っている私は、大学時代に読んだ『現代スポーツへの警告』に影響を受けました。身体が出来上がっていない子どもを、早期に特訓することによって、スポーツ障害が後を絶たないと。

 

子どもの発達段階の時どきで、遊びから得られるものは計り知れません。 

小さい時に辛い体験をした彼らが、健全な遊びの中で育ち直しができ

この先、豊かに生きていけますように。 

                         里母記

ブログ 一年過ぎました

今週は、私や幼児たちの誕生日の週

私の得意な料理 栗赤飯をメインにお祝いです。

 

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赤飯は私の母 直伝の味。

実家は別府で100年続いた餅・赤飯の店でした。

(今は姪っ子達が洋菓子をメインにした店を引き続きやっています)

2年半前に他界した母(享年84歳)が、50年以上かけて作り出した味です。

とても手間暇かけ、大納言小豆の風味が生きて、小豆だけの美しい紫桃色に染まった

もち米が、口の中で噛めば噛むほど優しい味になります。

 

「ここの赤飯を食べたらよそのは食べられん」と、

お客さん達が口々に言ってくださいました。

「介護している父が、食欲がなくて何も口にできないのにこの赤飯だけは

”うまいうまい”と食べてくれるんですよ」と言われる方もいました。

 

母は介護が必要となり、たくさんのお客さんに支えられた店に別れを告げ

7年前に、長女である私のうちへ。ちょうど私たちが里親を始めた頃でした。

母にはお赤飯やあんこ、ぜんざい、あま酒饅頭、タンサン饅頭

石垣餅など、私が子どもの頃から馴染んだ味を教えてもらいました。

 

今、ホームで作ると、子ども達が「お代わり」「お代わり」と言ってくれます。

作ればたくさんの人に配って、幸せを分けたくなるパワーの赤飯です。

 

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               里母 記

涙のハッピーバースディ♬

先日、ある方の66歳の誕生日会をうちでしました。

  

 Mさんは40年以上連れ添った夫に3年前先立たれました。

子どもにも恵まれなかったし、遠い県外からこちらへお嫁に来たので

身内もそばにはいません。仲の良かった夫婦の一方がいなくなる寂しさは

想像もできません。3年経っても、ただただ淋しくて、早く自分も

あちらの世界に行きたいと思うばかり。

 

時々、私たちも声をかけます。一緒にご飯を食べましょう、

車で迎えに行きますよ、温泉にも行きましょと。

 

先日は66歳の誕生日だと聞いて、子ども達も「ハッピーバースディや〜!」

「ケーキでお祝いしよう!」ということになりました。

ご馳走を作り、66歳おめでとう!と乾杯 そしてクライマックス。

部屋の電気を消して、ケーキのろうそくに火を灯し、

みんなの歌声、♪ハッピーバースディ ツー ユー♬が始まります。

幼児も小・中学生も大人達も歌います。

 

ロウソクの火に照らされたMさんの顔が子どものようです。

♪ハッピーバースディ ディア Mさん♬ のところになると

恥じらいの笑顔が涙でくしゃくしゃに・・・

「こんなことしてもらったの、この歳になって初めて」と。

 

純粋に誕生日を祝ってくれる子ども達も 癒す力、抜群です。

18歳 初めての投票 

高3生にも衆院選の投票券が届いていました。

 

なに? これせんといけんの?

どうしたらいいん? どこに行ったらいいん?

誰に入れるん? 

彼女には???だらけです。

 

投票は国民の権利だから、棄権せず必ずする事。

候補者を選ぶ小選挙区制と政党を選択する比例代表選挙 

2枚の投票用紙がある事。

そして今回は最高裁裁判官の国民審査もあること。

 

それぞれ新聞に書いてある候補者の主張、各政党の考え方を新聞で確認する。

彼女にとって政治での一番の関心ごとは、消費税が上がるか否か、

そして今の平和な社会が続くかどうかといいます。

 

「家族」とともに初めて投票してきた彼女は、

自分も政治に意思を示したことで、少し大人になったように見えました。

サクラサク 

高校3年生のS子さん

受験した短大の合格通知が届きました。

感無量です。

 

うちに来て7年あまり 

当時の彼女を知る人達は誰も今日のS子の姿を想像できなかったでしょう。

 

愛情だけではどうにもならない彼女の養育、どう一緒に生活していいのか

分からず、こちらの方が参ってしまい、耐え難い頭痛に病院でMRI検査。

「強いストレスです」と言われ、処方薬をもらったこともありました。

意欲を持って率先して里親登録した里父は、「男の人が苦手」なS子に

一年以上も口を聞いてもらえず、うちの中で疎外感に耐えました。

 

S子の今の主治医に出会い、感覚過敏な生き辛さを抱えた彼女を

どうサポートをすれば良いか、具体的にアドバイスしてもらいました。

一番困って辛い日々を送っていたのは、ほかならぬS子です。

 

施設での集団生活に適応できない彼女を、うちへとマッチングしてくれた

児童相談所の担当職員、小学校高学年で転校してお世話になった学校の先生方、

不登校の難しい時期も寄り添ってくれました。

そして皆勤賞にと励まし指導くださった中学校・高校の先生方・・・

 

この7年間のたくさんの出来事、

彼女を通じて出会い、支えてくださった方々   

全て、宝物です。

こんな感動の瞬間を味わうことのできる里親とは

本当に最高な生き方だと感謝しています。

 

 

S子は進学して専門的な資格を取得し

「将来自分で生活できるようになり、安定した生活をしていくことが私の夢です。

 そして自分のような子ども達が希望を持ってくれることを願っています。」

 と、作文に綴っていました。

 

おめでとう     そして     ありがとう

グリーンコープの里親普及活動

 

いつもお世話になっているグリーンコープさん。

ホームでは毎週、卵・牛乳・調味料・肉などを購入しています。

安全で新鮮な食品に加え、配達もしてくれるので、助かっています。

 

毎月発行されている「元気通信」には、里親の声コーナーがあり

県下の里親さんたちを紹介しています。

社会的養護の子ども達が、家庭で当たり前に育つようにと啓発活動や、

実際に組合員さんも里親登録をして、自分の家庭に子どもを受け入れている方、

週末里親や乳児専門の里親さんもいます。

 

安心安全な食品、環境に気を配り、

子育てや介護など福祉への意識も高く、

平和な社会を願って活動している方々ですから

本当に素晴らしい里親さん候補だと思います。

もっともっと広がって欲しいです。

 

そのほかにも組合員が毎月100円の福祉基金を積み立て

県内で様々な地域福祉活動をしている団体へ、寄付もしています。

2016年度には、この里海ホームもグリーンコープ福祉活動組合基金

助成金を頂き、冷蔵庫や洗濯機などを購入させて頂きました。

 

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それまで7回洗濯機を回していたのが、4回になり、ずいぶん助かっています。

今年7月、助成団体の報告会があり、里海ホームの活動もみなさんに

お知らせすることができました。

グリーンコープはとても心強い存在です。